二酸化塩素消臭剤は、植物性や微生物系、次亜塩素酸系と並んでよく知られている種類の消臭剤であり、一定のシェアを占めています。
二酸化塩素消臭剤には純粋な二酸化塩素が主成分の商品と、二酸化塩素の前駆物質(ある物質が生成される前の段階にある物質)である亜塩素酸ナトリウムが主成分の安定化二酸化塩素商品の2種類があります。
このページでは二酸化塩素消臭剤について簡単に説明したいと思います。
二酸化塩素とは
二酸化塩素は塩素の酸化物で、化学式 ClO2で表される無機化合物です。
強力な酸化力を持ち、高い殺菌・消臭効果を示す事からさまざまな分野への活用が考えられていますが、安全性や安定性の懸念、貯蔵や発生装置の費用などの問題があり、日本では用途があまり広がっていないのが現状です(海外では幅広く使われている)。
しかしながら、殺菌速度の速さや効果がpHによって左右されにくい点など、良い部分もたくさんあるので、今後の研究や使用方法によって活用の幅が広がる可能性は十分にあります。
消臭メカニズムはアンモニアや硫化水素、カルボン酸などを酸化分解するとともに、悪臭の原因となる細菌を除菌する形となります。
消臭力は非常に強力で、さまざまな悪臭成分を速やかに分解できます。
一方安全性についてはやや劣ります。小さな子供やお年寄り、ペットがいる環境で使う場合は注意してください。
安定化二酸化塩素とは
安定化二酸化塩素という正式な物質は存在せず、酸や紫外線によって二酸化塩素を発生させる亜塩素酸ナトリウムなどが主成分のものを販売各社が安定化二酸化塩素と呼んでいます。
安定性や二酸化塩素放出率は各社の製法によって大きく異なりますので、成分に安定化二酸化塩素と書いてあっても効果は違います。
ただし、共通しているのは安定化二酸化塩素に純粋な二酸化塩素と同じ効果は期待できない事。特に殺菌力は非常に劣ります。
商品ページに二酸化塩素のデータを表示して、実際には安定化二酸化塩素の商品を販売している店も多々見かけますので注意してください。
現在では「二酸化塩素」という言葉は広く認知されるようになり、様々な商品が販売されるようになりましたが、【安定化二酸化塩素】と【二酸化塩素】を混同し、故意か過失か、【安定化】商品に対して純粋二酸化塩素の殺菌効果データを使用したものが多く見られます。また、他社製品の調査過程で、二酸化塩素含有とうたいながら、全く二酸化塩素が含まれていない商品まであることに驚かされています。
引用-パスタライズ株式会社
安定化二酸化塩素商品のメリットは純粋二酸化塩素商品に比べて安全性が高い点と消臭効果に持続性がある点。
二酸化塩素商品がハイリスクハイリターンなら安定化二酸化塩素商品はローリスクローリターンといったところでしょうか。用途に応じて使うのがよいでしょうね。
安定化二酸化塩素商品は強力な消臭効果が求められていない日常生活での消臭対策にはおすすめです。
ただし、同じ安定化二酸化塩素商品といっても販売店によって効果は大きく異なります。
小売はせず専門業者向けに二酸化塩素や安定化二酸化塩素を卸している信頼性の高い化学メーカー数社に聞きましたが、個人向けの二酸化塩素商売をしている店の中には知識もなく信頼性も不透明な製品を販売しているところが多々あるとの事でした。
おすすめ商品
純粋二酸化塩素のみの製品では効果が期待できる期間は概ね1か月程度。ゆえに二酸化塩素の卸売りメーカーは私達のような個人に対してほとんど製品を販売しません(扱いも難しく期限も短いため)。
そんな中、大幸薬品株式会社のクレベリンは数少ない個人向け二酸化塩素商品だと言えるでしょう(厳密には純粋二酸化塩素製品とはいえないが)。
クレベリンは二酸化塩素の力が落ちないように添加物を混ぜて効力を維持しています。成分の残留が気になる場合は他の製品をおすすめします。
クレベリンスプレーの二酸化塩素濃度は約100ppmですが、クレベリンLは約500ppmの高濃度タイプ。これを5倍希釈すればクレベリンスプレーと同じ100ppmになります。
濃度を自由に決められるので、より強力な除菌・消臭力が必要ならこちらをおすすめします。
安定化二酸化塩素商品は数えきれないくらいたくさんあり、上でも触れたとおり個人向け製品の信頼度はかなり不透明です。
一部上場企業の株式会社大阪ソーダの製造するダイソーオスロンや二酸化塩素業界のパイオニアである助川化学株式会社のビオトーク、同じく実績豊富なパスタライズ株式会社のような企業が販売しているものには間違いはないと思います。
ただ、これらの企業はどこも個人向けではなく、より確実性や信頼性を求められる業務用販売を主としているため、私達が手に入れるのは難しいです。
安定化二酸化塩素商品に関しては他の消臭製品でも十分互換できるので個人的にはそちらをおすすめします。
参照