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次亜塩素酸水の品質チェックや次亜塩素酸ナトリウムとの判別には試験剤の購入を

品薄状態が続くアルコールの代替として、新型コロナウイルスの不活化に期待されていた「次亜塩素酸水」。

多くの場所で使用され、個人的には日本でのコロナ流行抑制に一定の効果があったと感じているのですが、5月下旬に経済産業省所轄の独立行政法人「製品評価技術基盤機構(通称nite)」の報道を見聞きして使用を中止、または保留している個人・団体も多いと思います。

ただ、当初NHKやネットニュースImpress Watchなどが報じた、効果や危険性についての偏った内容については、後日nite自身がQ&Aで否定しています。

Q:「次亜塩素酸水」は、新型コロナウイルスに効果がないのですか?

A:「次亜塩素酸水」の新型コロナウイルスに対する効果については、検証試験が継続中であり、まだ結論は出ていません。
現在、効果の検証作業を、関係機関の協力を得て進めているところです。塩素濃度や酸性度(pH)等の条件によって効果が変化しうるため、評価にあたっては、様々な条件での検証を行う必要があります。
今までのところ、新型コロナウイルスに対して一定の効果を示すデータも出ていますが※、2020年5月29日現在、全体として有効性評価を行う上で十分なデータが集まっていないことから、委員会において、引き続き検証試験を実施することとされました。今後、早期に結論を得ることを目標に、検証作業を続けてまいります。※塩素濃度49ppm(pH5.0)で、20秒で感染力を1000分の1まで減少させた例がありました。


Q:「次亜塩素酸水」で手指消毒を行ってもよいのですか?

A:今回の有効性評価は、アルコール消毒液の代替となる身の回りの物品の消毒方法の評価が目的であり、手指消毒は評価対象となっておりません。
「次亜塩素酸水」を手指や皮膚の消毒で利用することは安全面から控えるよう弊機構が公表したとする報道が一部にありますが、手指、皮膚での利用の是非について何らかの見解を示した事実はございません。
「次亜塩素酸水」の利用に当たっては、メーカー等の提供する情報等をよく吟味し、ご判断をいただければと存じます。


Q:「次亜塩素酸水」の空間噴霧は行ってもよいのですか?

A:今回の有効性評価は、アルコール消毒液の代替となる身の回りの物品の消毒方法の評価が目的であり、空間噴霧は評価対象となっておりません。
「次亜塩素酸水」の噴霧での利用は安全面から控えるよう弊機構が公表したとする報道が一部にありますが、噴霧利用の是非について何らかの見解を示した事実はございません。
「次亜塩素酸水」を消毒目的で有人空間に噴霧することは、その有効性、安全性ともに、メーカー等が工夫して評価を行っていますが、確立された評価方法は定まっていないと承知しています。メーカーが提供する情報、経済産業省サイトの「ファクトシート」などをよく吟味し、ご判断をいただければと存じます。


Q:「ファクトシート」は、経産省・NITEの見解として出されたものですか。

A:本資料は、新型コロナウイルスの消毒において期待される「次亜塩素酸水」について、その販売実態や空間噴霧をめぐる事実関係を、現時点までに得られた情報に基づいて経済産業省がまとめたものです。経産省やNITEとして何らかの見解を示すものではありません。今後、新たな知見が得られましたら随時修正が行われます。 

NITEが行う新型コロナウイルスに対する消毒方法の有効性評価について~よくあるお問い合わせ 

経産省の発表方法にも問題はありますが、それ以上にインパクトのあるタイトルや偏った内容で国民の関心を引こうとするメディアには毎度辟易します。

しかし、公的機関が動かざるを得なくなった原因は販売者側にも当然あります。

コロナ禍に乗じて国内外問わず得体の知れない新規メーカーが多数参入し乏しい知識で企業や一般人相手に薬機法や景品表示法違反に触れる販売を行い続けました。さらに「コロナ対策」や「コロナ消毒」「手指の消毒」などといった薬機法違反や景品表示法の優良誤認表示にあたる売り文句で商品を販売しているメーカーも存在しています。
※数が多すぎてブロックできないので放置していますが、当サイトのGoogle広告に表示されているような次亜塩素酸水はその傾向が強いのでおすすめできません。

これによって、次亜塩素酸水に対する知識をあまり持たない人も気軽に手にすることになり、次亜塩素酸ナトリウムと同一視して使用するなど健康被害につながる使い方をしているのです。スマホが普及し、誰もがインターネットを利用する事で様々な問題が発生している現在の日本状況とよく似ていますね。

ハイターとピューラックスの違い
ハイターは衣料の漂白や除菌・消臭用の塩素系衣料用漂白剤ですが、主成分が次亜塩素酸(じあえんそさん)ナトリウムなので本来の目的以外でもさまざま...

製品についても次亜塩素酸水が生成できるなどと謳い販売するも、実際には次亜塩素酸ナトリウムを生成する機械だったという事例が後を絶ちません。

次亜塩素酸水の名前を使って次亜塩素酸ナトリウムを薄めただけの商品を販売している店舗まで存在するという話も聞きました。

このような事をされては、古くから次亜塩素酸水を販売しているメーカーからすればたまったものではないでしょうね。



長くなってしまいましたが本題に入ります。

きちんとした次亜塩素酸水と次亜塩素酸水ではない粗悪な商品や次亜塩素酸ナトリウムを判別する方法は実は簡単です。

楽天やAmazonなどのネットモールで安く販売されている「pH試験剤」や「塩素試験紙」を購入して自分でテストすればいいのです。安いものなら1000円程度で購入できます。

pH試験剤有効塩素試験紙

次亜塩素酸水は多義的で、生成装置から出た溶液をそのまま使う場合は食品添加物になる「電解型次亜塩素酸水」と、酸の二液混合、炭酸ガスの付加、イオン交換樹脂による化学反応等で生成された「非電解型次亜塩素酸水」に分かれますが、性質としては「次亜塩素酸を主成分とする酸性の溶液」となります。

電解型も非電解型も生成方法に違いはありますが化学的にはほぼ同等です。

たまに塩と水しか使っていないから安全と謳っている電解型のメーカーが存在していますが、皆が危険と騒いでいる次亜塩素酸ナトリウムも塩と水だけで生成できるので安全性を担保する理由にはなりません。

両者の違いを例えるならば、ホットケーキをつくるときに個別の材料を買ってつくるか(電解型)、予め材料を混和しているホットケーキミックスを買ってつくるか(非電解型)の違いのようなものですね。

電解法以降に新しい技術として開発されたニ液混合法やパウダー製法による次亜塩素酸水溶液製品が普及していますが、既存団体が食品添加物としての申請時点で命名した次亜塩素酸水の定義に当たらないかのような誤解が広がっており、現下のコロナウィルス対策への除菌液不足という非常事態において本来感染防止に役立つ除菌液普及の阻害要因になっています。

次亜塩素酸水溶液普及促進会議

安い商品は多少の誤差はありますが、電解型、非電解型を問わず自分が買った商品をpH試験剤でテストして酸性域(5.0~6.5程度)である事を確認し、塩素試験紙によってメーカーが謳っている有効塩素濃度に近ければ問題なし。

もし、購入した商品や自分で生成した溶液がアルカリ性だったり、しっかりとした濃度に達していなければ、次亜塩素酸ナトリウムもしくは粗悪品という事になります。

もし、自分の使っている商品がきちんとした商品なのか不安な場合は試験剤を購入してテストしてみてくださいね。