数年前に、一般社団法人ペットフード協会による「全国犬猫飼育実態調査」で初めて犬の飼育数を猫の飼育数が上回ったというニュースが話題になりましたが、2018年の同調査でも犬890万頭、猫964万頭と猫の人気は衰えていません。
ただ、犬と猫両方に言える事ですが、彼らと一緒に生活する事は想像以上に大変で、お金も手間もかかります。
私は犬と猫の両方を飼っていますが、日頃の掃除や体調管理、大病にかかってしまった時のケア、亡くなってしまった時の大きな悲しみなど、本当に人間と同じだなと感じる事もしばしば。
空気清浄機やオゾン頼りすぎると・・・
少し前置きが長くなったので本題に入ります。
猫飼いの多くが悩んでいるのが、猫のおしっこの消臭対策。
これには私も何十年と悩み続けていて、未だに完璧な答えは見つかっていません。
犬のおしっこ臭は大した事ないけれど、猫のおしっこ臭は強烈ですからね。
猫のおしっこにはフェリニンとコーキシンというたんぱく質が含まれており、おしっこを食べて増殖する細菌がアンモニアを発生させる能力は犬の20倍以上と言われています。
様々な消臭対策があると思いますが、空気清浄機やオゾン発生器といった空間の悪臭を消す(ごまかす)機器に頼っている人も多いのではないでしょうか。
空気清浄機では、シャープのプラズマクラスターやパナソニックのナノイー、ダイキンの高速ストリーマなどが有名ですね。
最近パナソニックから発売された次亜塩素酸を活用したジアイーノなどもよく知られていると思います。
ただ、ジアイーノに関しては以前パナソニックが吸収した三洋電気のウイルスウォッシャーを数倍の値段をつけて売っているようなものなので個人的には全く魅力を感じません。
オゾン発生器は10年以上前に人体への危険性の高さから一時問題になって使用されなくなっていましたが、数年前から中国産の安い製品が入ってきたり、多額の広告費をかけてネット販売する企業が出てきた事で使う人が増えてきた印象です。
空気清浄機やオゾンによる消臭はもちろん効果がない事はなく、私自身数年前までよく使っていましたし、今でもたまに稼働させる事があります。
しかし、これらはあくまでも“現在空間を漂っている悪臭を改善するもの”であって根本的な消臭対策にはなり得ないのです。
なぜなら猫のおしっこが残っている以上、いくら空間に発生した悪臭を消したところで現在進行形でおしっこから臭いが出続けているから。
ブログなどで猫の消臭対策に空気清浄機を一義的にすすめている人がいますが、あれらは実際に猫を飼っていないか、空気清浄機を売ってアフィリエイトで儲けたい人がほとんどなので注意が必要です。
さらに、24時間稼働している人も多いと思いますが、空気清浄機やオゾンの消臭効果が高ければ高いほど大きな問題が起こる事もあります。
大きな問題とは臭いに気付かず壁や床のおしっこを発見するのが遅れ、素材深部まで染み込んでしまう恐れがあるという事。
猫のおしっこは浸透性が高いからかどうかは分かりませんが、数時間放置するだけでかなり素材の奥まで染み込んでしまうので、できるだけ早くおしっこを発見するというのは非常に重要です。
いくら優秀な消臭剤を使用しても素材の深部まで染み込んでしまうとどうしようもありません。経験上臭いをある程度消す事はできても体感しなくなるまで消臭するのはほぼ100%不可能。
私自身がそういう経験をし、家のフローリングの枕木や木製ドアを取り換える羽目になりました。
猫の消臭対策は地道な掃除が一番重要
それ以来、私が日々の消臭対策に空気清浄機やオゾンを使用する事はほとんどなくなりました。
オゾンに関しては危険性などを考慮し全く使わなくなり、空気清浄機は来客時や家を数時間空けている間だけ使っています。
長年猫を飼い続けていろいろな失敗もしてきましたが、結局のところ猫の消臭対策には地道な掃除が一番重要という事に辿りつきました。
多頭飼いの場合は手間暇はかかるし精神的にもかなり堪えますが、日常生活では空気清浄機などを稼働させずに粗相の臭いがしたらすぐに消臭剤を持って掃除しにいく姿勢が大切だと思います。
以前と違って今は優秀な消臭剤が数多く販売されていますので、粗相後時間がそれほど経過していなければしっかり消臭する事が可能です。
この姿勢は消臭対策だけではなく、猫の健康管理にも一役買う事があります。
粗相があまりにも多い時や血尿などが出ている時は膀胱炎や泌尿器系疾患の可能性もあり、早く気付く事で適切な対応策をとりやすくなるのです。
空気清浄機やオゾン発生器を使う事自体は問題ありませんが、何度も言うように根本的な消臭対策にはなり得ないので、あまり頼りすぎない事が大事だと思います。
私は、いつか猫のおしっこやうんちを自動的に判別してピンポイントで消滅させてくれるような機械が発明されればいいなと思いながら毎日の辛い掃除に勤しんでいます。
参照