重曹は重炭酸ソーダの略で、炭酸水素ナトリウムや重炭酸ナトリウムとも呼ばれます(化学式はNaHCO3)。料理のふくらまし粉と言えば分かってもらいやすいかも。
料理や掃除、洗濯、衛生管理、美容等、さまざまな用途で使用する事ができ、1キロ500円程度で購入可能なコストパフォーマンスの良い製品です。
このページでは重曹を使った日常の臭い対策を紹介します。
重曹で消せる臭いは?
悪臭成分には酸成分とアルカリ成分がありますが、家庭内の臭いはその両者が入り混じっています。
重曹はpH8.5程度の弱アルカリ性なので期待できるのは酸成分の悪臭になります。
水溶液中の水素イオン濃度を表す指数で「ピーエイチ」や「ペーハー」と呼ばれています。
水溶液は基本0~14の数値の範囲に収まり、7付近を中性、7より小さいと酸性、7より大きいとアルカリ性となります。
具体的な使い方ですが、悪臭成分は気体の状態で漂っているので、臭いだけを取り除くなら物に直接かけなくても大丈夫。
臭いの気になる場所に粉のまま置いておくだけでも臭いを消してくれます。
重曹の交換目安は臭いで判断。効果が薄くなってきたなと思ったら交換時期です。効果がなくなっているのは露出している部分(表面部分)なので、その部分を取り除けば他の部分はまだ使えます。
重曹を使った具体的な消臭対策
冷蔵庫内の臭い
冷蔵庫はさまざまな食品を保存しており、たくさんの臭いが混ざり合っています。他の食品への臭い移りを防ぐためにも重曹で臭い対策をしましょう。
方法は簡単。密封されていない空き瓶に重曹の粉を入れておくだけ。穴の開いた中蓋がなければ、瓶にペーパータオルを被せたり、アルミホイルに穴を開けて被せてもOKです。
生ゴミの腐敗臭
ゴミバケツやシンク内の三角コーナーの腐敗臭対策に1日数回に分けて重曹の粉をかけます。
悪臭を吸い取る効果プラス悪臭成分をつくりだす細菌の増殖を抑える効果にも期待できます。
下駄箱の臭い
下駄箱内は高温多湿になりやすく、悪臭成分を発生させる各種細菌が増殖しやすい環境。
重曹には殺菌効果はありませんが、静菌効果がありますので、菌の増殖を抑えてくれます。
普段は冷蔵庫と同じように密封していない瓶に粉を入れる方法で。
効き目が落ちてきたら除去した粉を使って下駄箱内や玄関のたたき等の掃除(濡れぞうきんなどで拭く)に使いましょう。
靴の臭い
臭いが気になる靴には重曹の粉を直接撒き、10分程置いてから粉を取り除きます。
ポイントは靴の中敷きに薄くてもよいので重曹を満遍なく広げる事。取り除く時には掃除機を使う事で簡単に、そしてきれいに除去できます。
掃除機の排気臭
掃除機から出る嫌な排気臭は掃除機が吸い取ったさまざまなゴミの混合臭です。
紙パックの中にあらかじめ重曹の粉を入れておくと臭いを軽減する効果があります。
爽やか系の精油を入れておくとより効果的。
サニタリーボックスやおむつバケツの消臭
サニタリーボックスの底に重曹を敷き詰めておく事で臭いを抑える効果が期待できます。
柑橘系の精油などを数滴ふりかけておけば、臭い消しと同時にさわやかな香りがほのかに漂います。
紙おむつ廃棄時には重曹を水に溶かした水溶液(重曹水)や粉を直接かけます。おむつバケツには重曹水をかけて1時間程置いておくと臭いが消えます。
水1Lに対して大さじ5~6杯の重曹を溶かしてつくります。重曹は大さじ一杯約11g、小さじ一杯約3.5gなので、少量100mLの重曹水をつくりたい場合は大さじ1/2杯か、小さじ1杯半くらいを目安に溶かしてください。
重曹水が蒸発すると白い粉のような汚れが点々と残る事があります。
この白残りを取るには、重曹水で拭いた後にクエン酸で拭き上げたり、しっかり二度拭きする事。特にクエン酸は弱酸性なので弱アルカリ性の重曹と中和反応が起こりきれいに消えます。
今回紹介した場所や用途以外でも、タバコの臭い対策や加湿器のカビ臭など、重曹はさまざまな場所の消臭対策に活用できます。
ただ、重曹の消臭効果は緩やかなものなので強力な消臭力が欲しい場合は消臭剤を活用する必要があると思います。
おすすめ重曹
1kgあたり300円程と非常にコストパフォーマンスに優れた重曹。低価格ですが、安心の食品添加物規格。
量もたっぷり5kgのビッグサイズなのでさまざまな用途で量を気にせず使えます。