ピューラックス
ピューラックスの成分は水と次亜塩素酸ナトリウム6%(ピューラックス-10は10%)でpHは約11.7のアルカリ性。
第2類医薬品であり、徹底した製造管理と品質管理がなされているので使用期限内(製造日から1年間)であれば次亜塩素酸ナトリウム濃度6%を維持していると考えてよいでしょう。
オフィシャルサイトには「薬局・薬店でお求めいただけます。」と記載されていますが、期限の短い商品なので薬局の店頭にはあまり並んでいないイメージがあります。インターネットで販売している店舗はあるので探しても見つからなかった人はネット通販で購入するとよいでしょう。その際は製造日の確認を忘れないでください。
ピューラックスの用途
●医療器具の消毒●シーツや白衣等の漂白を兼ねた消毒●トイレや浴槽の消毒●飲食器具の消毒●食品製造器具の消毒●ふきんやダスターの漂白を兼ねた消毒●飲用水の消毒●雑用水の消毒●プール水の消毒●浴槽水の消毒
用途によって希釈して使う事になりますが、pH9程度で使う事も多くアルカリ度が低いのでハイターに比べると安全性が高く、水酸化ナトリウムのような余計な成分を添加していないので反応が終わると塩と水になり危険成分の残留も少なく比較的安心です。
ピューラックスやミルトンのような医薬品、ピューラックスSのような食品添加物の次亜塩素酸ナトリウム製品は一般に「低食塩次亜」と呼ばれていて純度が高く安定しているのが特徴。
医薬品の承認を受けているのがピューラックス、食品添加物の指定を受けているのがピューラックスS。
違いは記載された用途や用法・用量です。メーカー側からは食品添加物の指定を受けていないピューラックスで食品に対する殺菌をすすめる事ができないなど建前はありますが、中身は同じと考えてよいでしょう。両方とも質の高い次亜塩素酸ナトリウム製剤です。
使用期限内なら濃度6%を維持しているというのは非常に重要な事です。
なぜならウイルスや細菌の殺菌に必要な濃度を確実に計算できるから。病院や介護施設、児童施設、飲食店などのように患者が出た時に確実な殺菌が求められる施設では絶対にピューラックスのような医薬品の製品を使う事をおすすめします。
ハイターとピューラックスの違い
それではハイターとピューラックスの違いをまとめてみます。
まずはハイターは雑貨でピューラックスは医薬品。値段は何倍もピューラックスの方が高いです。
雑貨であるハイターは保存期間を延ばすためにアルカリ度を上げる(pH13程度)水酸化ナトリウムを添加していたり不純物が多いです。
一方ピューラックスは使用期限は製造から1年と短いですが、成分の純度が高く余計な成分を添加していないのでアルカリ度も低く(pH12弱)反応後は水と塩になるので安全性が高いのが特徴。
ハイターは製造日の記載もないので使用時でどれくらいの期間が経っていて次亜塩素酸ナトリウム濃度がどれくらいなのかは分かりません。
よほど時間が経過していなければおそらく3%以下になる事は考えにくいので、3%と考えて希釈した方がいいと思います。
ピューラックスは期限内であれば次亜塩素酸ナトリウム濃度は6%を維持しているので簡単に必要な濃度の希釈液をつくる事ができます。
これらを踏まえると、両者の違いは安全性と確実性という事になりますね。
もしハイターをピューラックスのように使いたいなら使用後はよく洗い流す事、そして希釈時は製造時の6%ではなく3%と仮定して使う事(特にウイルスや細菌対策の場合)に注意すればよいかと思います。
さいごに
簡単ではありますが、ハイターとピューラックスの違いについて書かせてもらいました。
一般のサイトだけではなく地方公共団体などのホームページでもハイターを使った消毒剤の作り方を安易に載せています。
しかしながら、本来雑貨品であるハイターの役割は衣類の漂白などであり、ウイルスや細菌の殺菌などを目的としたものではありません。
当然想定されていない使い方をする事による危険性についても書いておかなければいけないのに(たとえば失明の危険性が非常に高いスプレーでの使用など)スルーしているところも多々あります。
さらに濃度計算についても製造時の6%で計算しているサイトを何個も見かけました。ウイルスや細菌対策では必要濃度に達していない状態で使った場合十分な効果は期待できません。
ハイターとピューラックスの違いはそれほど難しいものではないので、それぞれの製品をしっかりと理解してから使ってください。
参照